2024年、なぜキャリアカウンセラーに「AI活用スキル」が求められるのか? ~変化を味方につける、これからのキャリアサポート~

ChatGPTやその他のAIツールの台頭で、キャリアカウンセリングの現場も変化の時を迎えています。AIを「脅威」ではなく「味方」にする――そんな新しいキャリアサポートの形をご紹介します。

キャリアカウンセリングとAIの関係性

昨年から急速に普及したAIツール。私の元にも、「AIを使って履歴書を作ってきました」「ChatGPTでキャリアプランを立ててみたんです」という声が日々届くようになりました。

クライアントがAIを活用し始めている今、専門家である私たちにも新しいスキルが求められています。ただし、それは決してAIに対抗するためではありません。むしろ、AIという新しい味方を得て、より価値の高いサポートを提供するチャンスが訪れているのです。

AIと人、それぞれの得意分野

実は、AIの登場によって、人間にしかできない領域がより鮮明になってきました。

AIが得意とするのは、情報の収集や整理、一般的なアドバイスの提供です。たとえば、基本的な履歴書フォーマットの作成や、業界の一般的な情報収集は、AIが素早く効率的に行えます。

一方で、カウンセラーにしかできない重要な役割があります。それは、クライアントの言葉にならない思いを丁寧に聴き取り、その人らしい表現に変えていくこと。また、不安や迷いに寄り添いながら、その人なりの答えを見つけていく伴走者としての存在です。

AIを味方につけるための新しいアプローチ

では具体的に、私たちはどのようにAIと付き合っていけばよいのでしょうか。

AIリテラシーを高める

まずは、主要なAIツールの特徴を把握し、適切な活用シーンを見極める力が必要です。クライアントからの「このAIツール、使っていいですか?」という質問に、的確なアドバイスができるようになりましょう。

独自の強みを磨く

より重要なのは、人間にしかできない部分を強化することです。私の場合、以下の3点に特に注力しています:

POINT
  • 深い対話力の強化
  • 業界別の専門知識向上
  • 心理的安全性の高いコミュニティ作り

    実践的なAI活用法:私の場合

    実際の現場では、AIをどのように活用できるのでしょうか。

    カウンセリングの準備段階で、AIを使って業界動向をリサーチし、クライアントのプロフィールを深く分析します。これにより、対面での貴重な時間を、より深い対話に使うことができます。

    セッション中も、必要に応じてAIを「データベース」として活用。ただし、あくまでも補助的なツールとして、人間的な温かさを失わないよう心がけています。

    まとめ

    変化を恐れず、賢く活用する AIは私たちの「代替」ではなく「強力なアシスタント」です。テクノロジーの力を借りることで、より深い人間的な関わりに時間を使えるようになる――そんな未来が、すでに始まっているのです。

    むしろ、AIの存在によって、人間にしかできない「共感」や「創造的な対話」の価値が、より一層高まっているのかもしれません。

    これからのキャリアカウンセラーに求められるのは、AIを恐れることでも、排除することでもありません。AIと上手に協働しながら、より質の高いサポートを提供していく――そんなバランス感覚ではないでしょうか。

    Reiko

    Reiko

    キャリアカウンセラー/組織開発コンサルタント

    外資系企業の人事部で人材開発を担当後、独立。のべ1000名以上のキャリア支援に携わる。二児の母として、働く女性のライフキャリアに特に注力している。自身も二児の母として、理想と現実のバランスを大切にしたアドバイスを心がける。

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